SUZUKI Gemma Super Deluxe CS50

<スズキ ジェンマの備忘録>

2021.5

地元の掲示板にスズキ ジェンマ50がタダみたいな値段で掲示されていた。

高校生の頃、兄のお古のロードパルを乗っていた。ロードパルは遅く、友人と出かけてもおいていかれる。街中を走る最新のスクーターに憧れていた。中でもスズキ ジェンマはおしゃれでかっこいい。ジュリアーノ・ジェンマが宣伝していたのもポイントアップだった。

40年ほど前のスクーターだが、乗れれば楽しいだろうなと思い、欲しい旨を伝えると快く了解してもらえた。とてもいいおじさんで、他にも『もっと出すから売ってくれ』という人はいたようなのだが、私が、憧れのスクーターに乗りたいと言っていたので、大事にしてくれるだろうと思い譲ってくれたようだ。

バッテリーはダメ、シートには破れ、錆や泥の固着は見られるが、年式を考えると綺麗で、キックでエンジンもかかる。早速ナンバーを取って、自賠責保険に入り、街中を流してみる。

乗ってみて感じられる問題点
・カーブでフロントがとられる
・エンジンがボコボコして、すんなり吹け上がらない
・アクセルの戻りが悪い
・引き回しがかなり重い  などなど
うまく直せるかわからないが、楽しんでいじってみよう。

基本スペック

タイプグレード名Gemma 50 Super Deluxe
型式CS50
発売年1981
発売月3
仕向け・仕様国内向けモデル
全長 (mm)1625
全幅 (mm)665
全高 (mm)1040
ホイールベース (mm)1155
最低地上高(mm)105
乗車定員(名)1
燃料消費率(1)(km/L)75.0
測定基準(1)30km/h走行時
原動機型式CS50
原動機種類2ストローク
気筒数1
シリンダ配列単気筒
冷却方式空冷
排気量 (cc)49
2スト・吸気形式ピストンリードバルブ
内径(シリンダーボア)(mm)41
行程(ピストンストローク)(mm)37.4
圧縮比(:1)7.2
最高出力(PS)3.5
最高出力回転数(rpm)5500
最大トルク(kgf・m)0.5
最大トルク回転数(rpm)4500
燃料供給方式キャブレター
燃料タンク容量 (L)3
燃料(種類)レギュラーガソリン
満タン時航続距離(概算・参考値)225.0
エンジン始動方式セルフ・キック 併用式
点火装置C.D.I.式
点火プラグ標準搭載・型式BP4HA
点火プラグ必要本数・合計1
搭載バッテリー・型式YB4L-B
エンジン潤滑方式分離給油(2スト)
2ストエンジンオイルタンク容量1.20
クラッチ形式湿式・多板・遠心
変速機・操作方式自動変速
1次減速比2.857
2次減速比7.454
変速比1速 1.000/2速 0.670/3速 0.465
動力伝達方式チェーン
フレーム型式パイププレスアンダーボーン
キャスター角25°00′
トレール量 (mm)65
ブレーキ形式(前)機械式リーディングトレーリング
ブレーキ形式(後)機械式リーディングトレーリング
懸架方式(前)リンク式フォーク
懸架方式(後)ユニットスイング式
タイヤ(前)3.00-10
タイヤ(前)構造名バイアス
タイヤ(前)プライレーティング2PR
タイヤ(後)3.00-10
タイヤ(後)構造名バイアス
タイヤ(後)プライレーティング2PR
ホイールリム幅(前)2.5
ホイールリム幅(後)2.5
タイヤ標準指定空気圧(乗車定員時・前)1.25
タイヤ標準指定空気圧(乗車定員時・後)1.75
ヘッドライト定格(Hi)25W/25W
スピードメーター表示形式アナログ
メーター表示:燃料計
車両装備:センタースタンド
BikeBros HP 諸元表・スペック情報より

2021.6
シートカバーを購入し、付け替えるが、シートの土台が錆て、シートを止めるフックはボロボロになっており、きちんと固定できず。とりあえず、錆を少しでも食い止めるために赤錆転化剤を塗り、シートはボンドとクリップで応急処置。シートを丸ごと交換するしかなさそうだ。

泥の固着を洗い流し、目立つトランスミッションカバーの錆を磨いて落とす。エアクリーナーはボロボロだったので、汎用エアクリーナースポンジを購入し、カットして付け替える。

エンジン周りの掃除をしていて、マフラーをエンジンに留めているボルトが1本折れているのを発見。折れたボルトが、中で埋まってしまっていて取れず。埋まったボルトにドリルで穴を空けて取ろうとして失敗。仕方なくもう1本でそのまま固定。1本に負担がかかりすぎるので何か手を施さなくてはいけないが、とりあえずしばらく様子見。

いろいろ心配はあるが、普通に乗れるので乗りながら、気になるところを直していこう。直すたびに追記予定。

2023.5
ネットのサイトでバッテリーが1000円OFFで買えたので、思い切ってバッテリーを購入。使用前にしっかり充電し、サルフェーション除去する。バッテリーを付け替えるとライトやウインカーが元気で気持ちいい。残念ながらセルは回らず。タイヤに空気を入れ、すごくいい感じだ。少々乗り回してみるがとても快適。

リアのブレーキワイヤーが目一杯引っぱってあるので、そろそろブレーキも限界ではと思い、チェック。

右側サイドカバーを外し、マフラーを外し、タイヤを抜こうとするが、全く動かず。一旦諦めて、マフラーを戻そうとして無事だったボルトの穴の入り口付近のネジ山が少し舐めていることに気づく。少し押し込んでいくときちんとネジが締め付けられていくのだが、このままではいずれだめになると思い、修復を決意。

修復は2点
①ネジ山の舐めているところを切り直し。
②中で折れたボルトの取り外し。

どうせ使うだろうと、タップ・アンド・ダイスセットとボルト外し用のエキストラクター、替えのボルトを購入し、作業にかかる。

再び、右サイドカバーを外し、マフラーを外す。ゴミが入らないように排気口に紙を詰めタップでネジ穴を修正。

折れたボルトに潤滑オイルをつけて2.5mmのドリルで穴を少し開ける。そこにエキストラクターを打ち込み、反時計回りに回す。なかなかうまくいかず、何度か繰り返すが、折れたボルトが動き始めたときは感動。なんとか取り除くことができた。こちらもタップで切り直し。と、そこで気がついた。おなじM6のタップが2個ある。一つはピッチが0.75だ。どうやら先程は間違って、ピッチ0.75を使ってしまっていたようでボルトがゆるくなってしまっていた。

リアタイヤは潤滑オイルとプラスチックハンマーでなんとか外すことができ、ブレーキシューをチェック。どうやら交換したほうが良さそうだ。一応クリーニングだけして組戻していく。マフラーは、折れたボルトを取った方はしっかり締め付けできたが、今まで大丈夫だったほうが、ゆるくなってしまい。きちんと締まらない。再び1本だけに頼ることになる。

ネットで調べ、ヘリサートでネジ山を修復できそうなので、交換用のブレーキシューとネジ山修復キットを購入。うまくいけばいいのだが。

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感想(1件)

ブレーキシューとヘリサートの工具が届いたので、ブレーキシュー交換及びネジ山修復作業。

リアのブレーキワイヤーの戻りが悪く、シューが少し開いてしまっているため、タイヤが収まらず。潤滑油を指してプライヤーでグリグリを繰り返し、ようやくタイヤを装着することができた。フロントも若干似たような症状があったが、リア同様グリグリしてタイヤ装着完了。これでブレーキ交換終了。

次はボルト穴の修復作業。
6.2mmのドリルで穴を広げ、コイル状のヘリサートを専用の工具で挿入。後半若干硬くなってきたが、力で無理くり押し込む。後で考えればこれが失敗だったか。広げたドリルの穴が少なかったようだ。ヘリサートの先っちょのピンもうまく折れず。まぁ、ボルトをねじ込めばいいだろうと気軽に考え、マフラーを取り付けて、ボルトで締める。案の定、後半固くなったが、力でねじ込む。パキッツ!

やってしまいました。エンジン側の土台が割れた。

考えた末、耐震・耐熱の強力接着剤で付けて、その上からホルツのメタルパテで周りを固める。ヘリサートは挿入しておき、うまく固まってくれれば、短めのボルトで軽く締めることができるのでは?

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三日三晩おいたあとに、恐る恐るマフラーを取り付け、ボルトをねじ込む。また割れたら終わりなので、軽く取り付けるだけ。マフラーの固定は、他2ヶ所のボルトに委ね、ここは排気漏れをしない程度の軽い取り付け。しばらく走らせたあとに緩みがないか確認しなくては。まぁ、とりあえずは形だけはおさまった。

いろいろ失敗を繰り返すが、おかげで分かったことも多い。いい勉強だが、授業料もそれなり。

2023.6
とりあえず、問題なく乗れる形になったので、通勤で使う。ときどきフケきらないことがあるが、あまり問題はない。白煙もほとんど目立たないくらい。燃費は25km/Lくらいはありそうだ。燃料添加剤をガソリンに混ぜ、少しエンジンの洗浄。燃費が良くなればいいが。

スクーターは楽で街乗りには最適。ただ、ジェンマにはサイドスタンドがついていなかった。街乗りではセンタスタンドを毎回使うのは、少々面倒くさい。次はなんとかサイドスタンドを入手したいと考え、オークションサイトを巡る。なんと『スズキ純正 ジェンマサイドスタンド CS50 DC-2』を見つけ、ポチッと落札。送られてきたものは、ジェンマにはつかなかった。どうやらDC-2 というのが曲者で、ジェンマはジェンマでもジェンマクエスト用だったようだ。加工してつかないかと試してみたが、断念。また、ボチボチ探すしかないようだ。

2023.7 オイル交換 5,135km
他の車のオイルを替えたついでに 廃油を一緒に捨てられるのでオイル交換。オイルは結構きれいだった。ホンダ純正オイルG1 550ml。

2023.9
リトルカブ売却に伴い、ジェンマが日常使いに。エンジンは好調。セルがあればいいが、まあ今のところは問題ないので触らず。毎回のセンタースタンドは結構面倒くさい。再びオークションサイトで探して運良くゲット。一緒にシートも見つけたが、落札できず。

少し空気が減っていたので、空気圧をチェックし、補充
  フロント 1.25 リア 1.75

2024.6
オイル交換 ホンダ純正オイルG1 550ml

2024.7
スピードメーター、ヘッドライトがなんだか暗くなってきた。ウインカーもかなり暗い。
バッテリーを充電するも今ひとつ改善せず。
楽天市場でバッテリーが安くなっていたので購入。バッテリ自体はまだ1年くらいしか使っていない。

ありがちだが、バッテリーを購入したとたん、古いバッテリーが復調。ヘッドライトも明るくなり、ウインカーも見えるし、ターン音もするようになった。せっかく買ったが、もったいないのでもう少し使おう。

なんと、セルモーターが回り、セルでエンジンがかけられるようになった。

まめにバッテリーの充電をしておいたほうが良さそうだ。

バッテリーを充電し、サルフェーション除去する。バッテリーが回復したので、ついでにコンデンサーチューンを施す。ハスラー用に購入していた『電力強化装置Raizin改 大容量33,000μF』を試しに繋いでみる。コンデンサーから発熱をしていないようなのでしばらく使ってみる。確かに、セルでのエンジンのかかりが良くなったようだ。

2024.10
通勤に使っていたので、燃費を計ってみる。
毎回、35km ほど走って、1.6L くらいのガソリンの補給。燃費は21.5km/L 程度。