旅服(Traveler’s Clothes)

旅の服装も旅の形態によってずいぶん変わりますが、今回は気楽な一人旅の服装を振り返ってみたいと思います。

若い時の1ヶ月半のヨーロッパ鉄道の旅では、履き慣れたコンバースのワンスター、左前ポケットの裏にマジックテープのついた隠しポケットをつけてもらったリーバイス502、赤いLeeのダンガリーシャツにセーター、上着は少々の雨よけにもなる『踊る大捜査線』で織田裕二が着て有名になった米軍のM-51、通称モッズコート。ちなみに旅に出たのは、1980年代でしたから『踊る大捜査線』が放映される10年以上も前です。

スイス ルツェルンにて 1986.11

そして、腹巻きがわりにウエストバッグを腰に巻いて、中にはパスポートとトラベラーズチェック。肩から下げたカメラバッグには、35-200mmの万能レンズをつけたNikon FE2とフィルム数十本に写真の記録用ノート。背中には軍用リュックといういでたちでした。

着替えは、当時お気に入りだったヘインズの白いTシャツとパンツを数枚のみ。ジーンズを1本洗濯したとき用に入れた気がしていましたが、旅の写真を見ると、いつもほぼ同じ格好でした。

旅の途中、フィレンツェの屋台で買った革ジャンは、旅行中に着倒したあと、弟の土産になりました。

ミリタリーアイテムは機能的で使い勝手がとても良く、ここ数年、東南アジアへのひとり旅では、カーゴパンツやミリタリーシャツがほとんどです。

カーゴパンツのボタンがついた大きなポケットは、旅ではとても便利です。
カーゴポケットは、1942年にアメリカ陸軍の空挺部隊が採用した降下用戦闘服が起源です。空挺部隊はパラシュートを装備して航空機から降下するため、バックパックを背負えず、その代わりとして大容量のカーゴポケットが生まれたようです。

ミリタリーシャツは、両胸にフラップ付きのパッチポケット、肩にエポーレットが付いています。エポーレットは本来の使い方と違いますが、肩に掛けたカメラがずれないようにすることができます。
シャツは、暑い時には脱いで腰に巻くことも多く、フラップ付きのポケットだと入れたものが落ちなくて安心です。

カーゴパンツもミリタリーシャツもポケットがたくさんあって便利なのですが、両方を一緒に着るとちょっとものものしいので、どちらか一方にして、あとはジーンズかダンガリーシャツなどと合わせることが多くなります。暑い場所でもTシャツだけより、1枚シャツを羽織っているほうが何かと役に立つので必須です。

ミリタリーウェアの特徴は、優れた機能性です。動きやすく、収納力があり、旅のウェアとして最適だと思います。

熱帯でもなければ、M-65フィールドジャケットがあれば、機能面・収納力・防風さらには、多少の雨もしのげ、ポケッタブルのダウンとセットにすれば防寒としてもかなり活躍します。気楽な一人旅のおすすめです。

日常使いなら、丈夫で機能的なフライトジャケットがおすすめです。

何度も流行があった、シンプルで丈夫なMA-1

映画『トップガン マーヴェリック』でトム・クルーズが着用し、人気急上昇のCWU-36pとCWU-45p

エイジングが楽しめる、革製フライトジャケット A-2、G-1など 車やバイクで出かける『ちょい旅』にも大活躍です。

お気に入りの旅服で、旅を楽しんでください。